数年前にMA1ブームが突然やってきて、そろそろ治まるのかと思いきや、古着やビンテージウェアが注目されると、この波にしっかり乗って根強い人気があるようです。
そうした流れの一環なのか、アメリカもののカジュアルアウターが注目されているらしく、若い世代がスタジャンやスカジャンを着ている姿を見かけるようになりました。
今回はスタジャンという響きに懐かしさを覚える世代と、新鮮に感じる世代、どちらにも向けて、その由来や歴史を紐解きながら進めていきたいと思います。
まずは解説など
日本ではスタジャン、つまりはスタジアムジャンパーと呼びますが、これは和製英語。本来はaward jacket=アワードジャケットと呼びます。
そもそもはaward、 つまり何かを記念してお揃いで作ったスポーツジャケットで、記念する頭文字(レター)などのワッペンや刺しゅうを施すことで一体感を表しました。
日本では1980年頃、大学のクラブやサークルのユニフォームとしてブームとなり、大きなワッペンで学校のイニシャルを表現したり(慶応はK、立教はRとか)、背中には所属するクラブ名を表記して渋谷を闊歩する姿がありました。
スタジャンを着て、なかにはボートハウスのトレーナー、チノパンやデニム、コンバースやナイキ、そしてボンボリ付きの正ちゃん帽を被るというのが、当時のキャンパスに溢れていました。
デザインはイメージする通りですが、襟の形に違いがあり、一般的なのはスタンドタイプで、折り返したものなどもありました。
身頃部分の材質はメルトンが多く、袖部分はレザーになっています。色使いは2トーンになっていて、袖部分は明るい色(白やベージュ)で身頃部分が濃い色(ネイビーやグリーン)という構造になっています。
時代を感じさせてくれるワッペンや刺しゅうがついていたら掘り出しものかも知れません。袖口や衿のリブ部分に適度なダメージが入っていてもイイ感じです。
学生気分を引きずるのではなく、若々しい気分や感覚はいつまでも大切にしたいものです。いつまでも少年の心を忘れない、爽やかな笑顔の大人って、ケッコウ好感度高いようですよ。
エディマーフィー的な王道スタイル
https://wear.jp/souma0612/14118072/
パーカーをインに使い、ボトムスはデニム(リーバイス)、そして白のスニーカーという王道のど真ん中を走るアメリカなスタイルに古着のスタジャンを羽織るという、間違いのない、行き過ぎていない、ポイントの高いコーディネイトです。
古着の場合、サイズ選びがビミョーだったりしますが、少し小さめを選ぶことでシックリ纏まったようです。
今の気分ならサイズアップという選択もありますが、デニムとスニカーという鉄板コーデの役割を押さえたサイジングです。
カモフラパンツの毒をスタジャンで中和
https://wear.jp/kawa1984/14149399/
カモフラパンツやミリタリー系のカーゴパンツは、デニムやチノパンツと同じレベルで定番アイテムと言ってもいいでしょう。
個性的な印象なので、これ一枚で雰囲気は出せるのですが、何か羽織るとなると迷うという経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか。
Gジャンという選択はアリです。またネイビージャケットやミドルゲージのニットというものイイでしょう。
しかしMA1やM65などのミリタリーアイテムをもってくると、あまりにもガチに映ります。サバゲ―好きと勘違いされるかも知れません。
フィールドジャケットなどワークっぽいアウターでもいいのですが、クセが強すぎるというか工夫を感じません。
そこでスタジャンの爽やかさでカモフラパンツの毒(というかクセ)を中和するとすっきり見えてきます。
インナーにはポロシャツなど入れると、より上品になります。パンツ丈を短く調整すると足元が軽く見えて、より若々しい印象になるでしょう。
ルーズなスクールファッション
https://wear.jp/yoshikawashuhei/14143325/
ワントーン仕様のスタジャンですが衿や袖口、そしてウエストやポケットにポイントを入れた事でクールな顔立ちですが、学生らしい爽やかな仕上がりになっています。
コチラは全身ヒステリックグラマーの商品でコーディネイトされていて、ここが提案するアメリカンファッションというニオイを感じます。
パンツはワイドシルエットですが、センタークリースを入れることでスッキリとした印象になっています。
そして個性的なプリントのインナーはスタジャンからチラ見えすることで、より印象が深まります。そしてスタジャンの背中にはセクシーなプリントがプリントされているという隠し味もありなのです。
スポーツアイテム通しなので当然相性はいい。
https://wear.jp/etelu/14133884/
スポーツミックスコーデと書こうとして、いや違うスタジャンもスポーツアイテムだと改めて気付いたという次第。
ボトムにトラックパンツを持ってきたら相性がいいに決まっています。ただ注意したいのは、その人の個性によっては体育会系の普段着と間違えられるかも知れません。こちらの方は髪の長さやメガネというポイントが、そうした心配を払拭してくれています。
同じトラックパンツでも派手な色を持ってきたり、ワッペン付きのスエットパンツにするとリラックス感が変わってきます。
スニーカーをポンプヒューリーや限定色のエアマックスに代えてみてはいかがでしょう。またはバレンシアガやグッチなどのスニ―カーを刺してみると大人っぽいコーデに格上げされます。
早い人は始めています。
https://wear.jp/eitee/11402030/
異文化ミックスというべきでしょうか。スタジャンにベレー帽というコーディネイトは思い至りませんでした。まったく違う方向から自由な発想がうかがえます。
さらにパンツはサロペットですよ!足元はブラックのポンプヒューリーでキメてくれました。
最後は『早い人は始めてる。』というテーマを証明するようなコーディネイトの紹介でシメたいと思います。